12月の掲示板

最近、お墓や仏壇仕舞いのご相談をよく受けます。「永代供養をしてほしい」といった相談も。
次のように言われる方が多いです。

「子供たちに負担をかけたくないので」

難しい問題ですが思うのです。遺された方は本当にそう感じているのかなと。
意外と言っては失礼かもしれませんが、今の若い方はご法事などの仏事をきちんとしたいという人も多いです。
思いはあるのにやり方が分からないといった印象です。
何事も省略化・簡略化の時代ですが、省いてはいけないものもあるのかなと。
「形」や「形式」というのは存外大切です。
「形」があるから私たちは心を向けることが出来る。
「形」があるから繋げていくことが出来る。
ご法事やお仏壇は、先立たれた方を皆で偲ぶことが出来る場所です。
仏さまの教えを通して亡き人と出会い、自分自身を見つめなおす仏縁です。
「子供のために」としたことが、ご先祖から繋がれてきたその「形」を奪うことにもなりかねません。
やむを得ない事情の方もおられますが、遺される方たちともきちんと相談することが大切かと。

「(故人)のために用意している」「しなければならない」ものではなく、仏と成られた先人たちから私たちへの「贈り物」と受けとめ、日々勤めさせていただいております。
南無阿弥陀仏。
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