住職

本コーナーでは、浄土真宗のお仏事をお勤めするにあたり、よくご門徒の皆さんに聞かれる情報をまとめました。ご活用ください。
※お寺によって仏事の形式は様々。本項は当山常髙寺の回答となります。

仏事は「いただきもの」

ご法事などの仏事は故人を偲び、仏さまの教えに触れる大切な場所です。
「(故人)のために用意している」「しなければならない」ものではなく、仏と成られた先人たちから私たちへの「頂き物」と受けとめ、勤めさせていただいております。

令和7年度年回(年忌)早見表

令和7年度(令和7年1月1日から令和7年12月31日まで)の年回(年忌)のご案内です。該当するお家には毎年お葉書でご案内しておりますが、不備もあります。念のため下記の表と照らし合わせ、各自でご確認ください。

<回忌><往生年>
1周忌令和6年
(2024年)
3回忌令和5年
(2023年)
7回忌平成31年/令和元年
(2019年)
13回忌平成25年
(2013年)
17回忌平成21年
(2009年)
25回忌平成13年
(2001年)
33回忌平成5年
(1993年)
50回忌昭和51年
(1976年)

主な仏事

 常髙寺では主に以下のお勤めをしています。日取りのお約束をした後、お参りする形を取っています。

・通夜、葬儀

・満中陰(四十九日)法要

・年回(年忌)法要
(例 一周忌、三回忌、七回忌、、、)

・初盆法要
(亡くなられてから初めてのお盆)

・報恩講参り
(ほうおんこう。浄土真宗の開祖 親鸞聖人のご命日をご縁としたお勤め。お取越。)

・建碑法要
(けんぴほうよう。お墓を建てた時のお参り)

・入仏法要
(にゅうぶつほうよう。お仏壇に仏さまを新しくお迎えした時のお参り)

・遷仏法要
(せんぶつほうよう。仏さまを異なる仏壇に移した時のお参り)

・ご法座
(お彼岸やお盆など、年間7~8回常髙寺にて開催)

ご法座

年に7回~8回開催。常髙寺本堂にご講師の先生をお招きし、仏さまのお話しを聴聞させていただきます。
服装は普段の格好で結構です。門徒式章(輪袈裟)を持たれている方は、ぜひご着用ください。
また、お念珠とお経本(お寺に貸出用の経本もあります)をお持ちください。
ご懇志(お布施)を気にされる方もおられますが、ご持参いただける場合は、お気持ちでお願いします。

【主なご法座】
1月 御正忌報恩講法座
3月 春のお彼岸法座
4月 春の永代経法座
5月 降誕会・花祭り
7月 盆法座
9月 秋のお彼岸法座
11月 報恩講法座

【ご法座の流れ】
➀帳場にてお名前を記帳。お布施やお供え物がある場合はそこでお預けください。
➁お好きな椅子にお座りください。喚鐘(開始の合図)がなります。お経本をご準備ください。
➂お勤め(正信偈など)が始まります。皆でお勤めしましょう。
➃ご法話を皆でお聴聞しましょう。
➄最後に領解文と恩徳讃を斉唱します。

↓参照
<お寺Q&A>
Q3. ご法座は何をしているのですか?

通夜・葬儀の流れ

お寺への連絡

・故人のお名前をお伝えください。
・葬儀の代表者と緊急連絡先を教えてください。
・既に葬儀社に連絡済の場合は、葬儀場の場所もお伝えください。
・日程の目安などもご相談ください。

STEP
1

葬儀社との打ち合わせ

・お寺の連絡とともに、葬儀社にもご連絡ください(「浄土真宗本願寺派、風早町 常髙寺の門徒」とお伝えください)。
・日程等が決まり次第、再度お寺にご連絡ください(日程などの連絡は葬儀社を通してでも構いません)。

STEP
2

お通夜

・僧侶の者が通夜会場にてお参りします。
・その際、故人の情報や連絡先等の情報を再度確認させていただきます(ご質問ご相談等ありましたら遠慮無くお聞かせください)。

STEP
3

お葬儀

・僧侶の者が葬儀会場にてお参りします。
・その際、満中陰法要(四十九日)についても説明させていただきます。
※お骨葬
諸々の事情から葬儀をせずご遺体をお骨にされている方もおられます。
後日お寺にて骨葬という方法もありますのでご相談ください。

STEP
4

お布施に関して

仏さまに感謝の心でお供えするものです。お気持ちでお願いします。
金額の多寡で法務を差別化することもありません(※ただし院号申請や納骨など別施設が関与する場合は、そこが定める申請懇志が必要となることがあります。詳細はお問い合わせください)。
お布施の表書きですが「御布施」や「御法礼」等とお書きください。
一つに纏めず、「お車料」や「お膳料」など丁寧に分けてくださる方もおられますが、どちらでも大丈夫です。

↓参照
<お寺Q&A>
Q1. お布施はいくら包んだらいいのでしょうか?

法名に関して

仏法に帰依した者に付けられる名前です。「釋○○」と漢字三文字でお付けします。
葬儀の際の法名料は頂いておりません。
西本願寺にて帰敬式を受けることにより生前に法名を頂くことも可能です。詳細はお寺までお問い合わせください。

↓参照
<お寺Q&A>
Q4. 戒名ではなく法名? 居士・大姉等は付けないのですか?

院号に関して

浄土真宗において院号は、故人の社会的地位や死後の位に関与するものではありません。
み教えやお寺の護 持発展に貢献した人を讃えるためご本山より贈られるものです。
本願寺との手続きが必要になります。詳細は常髙寺までお問い合わせください。

↓参照
<お寺Q&A>
Q5. 院号は付けた方が良いのですか?

お仏壇に関して

【お迎えする際】
お仏壇は、私を救わんとする阿弥陀さまの働き、お浄土の景色があらわれた、礼拝の対象です。
ご本尊(阿弥陀さまの掛軸や仏像)はそのままの形で完成していますので、魂入れや魂抜きは浄土真宗では行いません。
ただし、ご本尊をお迎えするお慶びの法要として「入仏法要」があります。
ご希望の際はご連絡ください。

【手放される際】
魂抜きのお勤めはありません。お仏壇の引き取り自体は最寄りの仏具屋さんにご相談ください。
ご本尊(阿弥陀さまの絵軸や仏像、南無阿弥陀仏などの掛軸)はお寺までご連絡の上ご持参ください。

【小さなお仏壇】
大きなお仏壇を置くことは難しいという方。
ご本山から小型のご本尊付仏壇なども交付されています。
お悩みの方はご相談ください。

↓参照
<お寺Q&A>
Q10. お仏壇を買ったので魂入れをしたいのですが?(お仏壇を処分するので魂抜きをしてほしいのですが?)

お墓に関して

【建立の際】
お墓をとおして故人の遺徳を偲び、阿弥陀様の働きに触れさせていただきます。
お仏壇と同様、開眼供養・魂入れは致しません。
新しくお墓を建立された際は「建碑法要」を行います。
浄土真宗では墓石正面に「南無阿弥陀仏」「倶会一処(共にお浄土という一つの場所にて再開する)」などと刻みます。

【納骨】
四十九日後にされる方が多い印象ですが、特に決まった時期はありません。
お墓を開けるのが難しい方は最寄りの墓石屋さんにご相談ください。

【墓じまい】
京都の大谷本廟への納骨をご案内しています。
分骨と合祀(複数の遺骨を一つの墓所に一緒に埋葬)の形があります。
詳細は個別にお問い合わせください。

永代供養に関して

浄土真宗に「永代供養」はありません。
浄土真宗の「永代経」のご法座は、み教え(お経)やお寺の永代護持を願いお勤めされるものです。
現状、墓じまいなどに伴うお骨の管理に関しては、大谷本廟(京都)を紹介しています。

↓参照
<お寺Q&A>
Q6. 永代供養はどうしたら出来ますか?

日常のお勤め(お経)

次のものをお勤めすることが多いです。
お仏壇の前でぜひお勤めください。

『正信偈(しょうしんげ)』
(真宗勤行集4頁)

『讃佛偈(さんぶつげ)』
(真宗勤行集64頁)

『重誓偈(じゅうせいげ)』
(真宗勤行集83頁)

ご法事のご予約に関して(日の善し悪しはありません)

ご希望の日にちがある場合は、お早めにご連絡ください。
日の善し悪しではなく、皆さんが集まれるということを第一にご検討ください。
次のことを伺いますので、ご家族で前もってご相談ください。

・法務内容(例 何回忌か?)

・希望の日程と時間

・場所(自宅かお寺か)

・繋がる連絡先

↓参照
<お寺Q&A>
Q7. 四十九日は三月にわたってもよいのですか?(法事の日程は命日より遅れてもよいのですか?)
Q8. ご法事をするのに日の善し悪しはあるのですか?

ご法事の際に用意するもの

【自宅でのご法事】
過去帳・ろうそく・お花・お香・お仏飯・お供え物をお飾りください。

【お寺でのご法事】
過去帳・お供え物(菓子果物等)をご持参ください。お花やお香等はお寺にあります。

※四十九日の際には、ご葬儀の際お渡しした白木の位牌をお持ちください。お寺で処分させていただきます。
↓参照
<お寺Q&A>
Q11. 浄土真宗はお位牌を用いないのですか?(過去帳とは何ですか?)

報恩講(お取越)に関して

親鸞聖人(しんらんしょうにん)のご遺徳を偲び、報恩感謝の思いで執り行われる報恩講(ほうおんこう)。
平成27年までは毎年戸別にお参りしておりました、このお勤めですが、現在は11月にお寺で執り行われる報恩講法座にて、纏め勤修しています。
来寺する事が難しい方もおられると思います。ご希望されたお家には、現在もお参りしております。
遠慮なくご連絡ください。

西本願寺からお迎えできるご本尊

「お仏壇を購入したのでご本尊(仏さま)の軸をお迎えしたい」「お仏壇を置く場所がなく小さなものを探している」といったご相談をよく伺います。
常髙寺では西本願寺からお迎えできる「ご本尊(掛軸)」「小仏壇(置き式のご本尊)」の展示コーナーを本堂に設けています。
実際にどんなものか見てみたいという方はぜひご来寺ください。

様々な置き式のご本尊。
お仏壇にお掛けするご本尊。「絵像」のものと「名号(南無阿弥陀仏)」のものがあり、様々なサイズがあります。表装も「金襴」「桐」「藤」の三種から選べます。

『葬儀の心得』紹介

 以前ご門徒の皆さまにも郵送させていただきましたが、今治市の浄土真宗本願寺派の10ヶ寺のお寺が協力して、浄土真宗の葬儀、日常の仏事についてまとめたオリジナルリーフレット『葬儀の心得』(A4版横開き14頁)を作成し、2017年7月に発刊しました。
 葬儀のみでなく、様々な仏事、作法、お仏壇の荘厳法の情報がその意義も含め、写真付きで分かりやすく纏められています。ぜひご活用ください。