A. 「永代供養」という言葉には「永代に亘り供養すること」「遺族の代わりにお寺が供養すること」といった意味合いが含まれていると思います。結論から言うと、この様な意味合いでの、いわゆる追善供養(ついぜんくよう)のお勤めは浄土真宗にはありません。ご門徒の方にこの件を相談される場合、殆どは次の2つの内容に分かれます。
①お墓を管理する者が自分の代で途絶えそうなので、どうしたら良いのかという相談
②ご法事を続けていく事が難しくなったので、自分の代わりに永代に供養(お勤め)をしてほしいという相談
①の相談はお骨の管理が問題の焦点となります。現状常髙寺には墓地の空きがなく、納骨堂も土地の問題、また市の方針上の問題で建設の目処が立っておりません。そのため西本願寺の系列墓所である京都の大谷本廟(おおたにほんびょう)納骨堂を紹介しております。分骨にするか全てのお骨を納めるかで申請方法も異なりますので、ご利用の際は当寺までご連絡ください。
②の相談が多くの方々がイメージする「永代供養」だと思うのですが、先に申しました様に浄土真宗にはこの様な形のお勤めはありません。いやいや、年に二回ご法座の案内があるじゃないかと言われるかもしれませんが、こちらは「永代経(永代読経)」と言い、み教え(お経)やお寺が永代に亘り存続しますようにという願いのもとお勤めされるご法要、またご懇志を指します。
この際、永代経懇志者に施主本人ではなく故人の名前や法名を記すことがありますが、これは「故人のために納める」のではなく、「永代にお寺やみ教えが伝わりますように」との遺志を受けた施主が、故人になりかわりご懇志を納めたことを意味しています。故人への追善供養ではありませんのでご注意ください。故人を縁として私がみ教えに出遇い、その法縁が未来の世代まで伝わるようにと願う。そうした思いが永代経の心だと思います。
故人の命日ごとに僧侶が読経するなど共通する点もあるので誤解されるのも無理はないのですが、永代供養とは別のものです。あくまで浄土真宗のご法事は「遺族自身が」故人の遺徳を偲び、み教えに触れることが肝要ですので、遺族の代わりにお寺のものが法事をするという事ではありません。法事を止めること=ご先祖を粗末に扱うということでは決してありませんのでご安心ください。
ポイント
・浄土真宗に「永代供養」はありません。
・「永代経」はみ教え(お経)やお寺の永代護持を願いお勤めされるものです。
※常髙寺でも春と秋のご法座で、ご案内しております。
・お骨の管理に関しては、大谷本廟(京都)を紹介しています。
・ご法事は遺族自身が法縁にあうことが大切です。
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