A. 他にも「開眼供養(かいげんくよう)」「お性根(しょうね)入れ」「仏壇開き」など、様々な呼び方がされていますね。
発想的にはダルマさんの目入れと少し似ているかもしれません。この儀式をすることにより、お仏壇の中心に置くご本尊(仏さまの仏像や掛軸)が完成する、力を発揮する、といった考え方かと思います。
結論から言うと、浄土真宗にはこのような「魂入れ」の考え方はありません。
仏教の説く「法」、これは全ての時間と空間に通じる不変のことわりを意味するのですが、その色・形のない「法」が、私たちのため親しみやすい姿をとられたのが、浄土真宗のご本尊である阿弥陀さまであるとされます。真如(真理・ことわりの意)の世界から来たものという意味合いで、阿弥陀如来(あみだにょらい)とも称されていますね。人の営みを超えた「法」が自ら顕現したものであり、私たちの振る舞いに左右されるものではないという立場です(※ことわりとしての「法」については、「住職さんに聞くゾウ!」のコーナーでも触れていますのでよければ)。
浄土真宗においては、ご本尊の掛軸や仏像をお迎えする際「入仏法要(にゅうぶつほうよう)」というお勤めをすることがあります。「入仏」といっても魂を入れるという意味合いではありません。我が家の仏壇に阿弥陀さまが入ってくださったとお慶びする法要と考えていただければ良いかなと思います。
なお同様の理由により、お仏壇の引越しや処分の際の「お魂抜き」や「お性根抜き」といった考え方もありませんが、古いお仏壇から新しいお仏壇にご本尊を移す際、これもお慶びのお勤めとして「遷仏法要(せんぶつほうよう)」をすることはあります。
※お仏壇の処分を相談された場合、常髙寺は次の対応をしています。
お仏壇自体⇒最寄りのお仏壇屋さんにご相談ください。
ご本尊(阿弥陀さまの絵軸や仏像、南無阿弥陀仏などの掛軸)⇒お寺までご持参ください。
ポイント
・魂入れや魂抜きの考え方は浄土真宗にはありません。
・ご本尊(阿弥陀さまの掛軸や仏像)は、そのままの形で完成しています。
・お慶びの法要として、「入仏法要」や「遷仏法要」をすることはあります。